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AIによる業務プロセスの変化とプロンプトエンジニアに求められるスキルと知識
AIによる業務プロセスの変化とプロンプトエンジニアに求められるスキルと知識
Yoshiya Takabayashi avatar
対応者:Yoshiya Takabayashi
一週間前以上前にアップデートされました

今いろんな分野で生成AIの機能向上が進み実際にAIで作成した動画等が少しずつ利用され始めています。

今後様々な業界やプロセスで生成AIの活用が進むと思いますがAIの活用と同時にコンテンツや製品の製造プロセスも大きく変更されていくとみています。

例えば、以下のような制作活動において生成AIを活用した場合のプロセスがどうなるのでしょうか?

音楽制作

従来のプロセス: 作曲 + 編曲 + 演奏 + 録音 + ミキシング + マスタリング

AIを活用したプロセス: 生成AI(プロンプトで制御)による作曲・編曲 + 演奏(AIまたは人間)+ AIによるミキシング・マスタリング

想定:従来の音楽制作プロセスは、作曲、編曲、演奏、録音、ミキシング、そしてマスタリングという複数のステップを経て行われてきました。しかし、AIの活用により、このプロセスが大きく変わるかもしれません。生成AIを使用した作曲と編曲では、プロンプトを用いて直接的にクリエイティブな指示を行い、演奏はAIまたは人間が担当します。そして、ミキシングとマスタリングはAIが自動で処理し、効率性とクオリティの向上が得られると考えます。

Blog等コンテンツ作成

従来のプロセス: リサーチ + 記事構成の企画 + 執筆 + 校正 + 公開

AIを活用したプロセス: プロンプトによるリサーチと記事生成 + 人間によるレビューと校正

想定:記事やブログの作成においても、AIの導入がプロセスを変革されると思います。従来はリサーチ、企画、執筆、校正、公開といった複数ステップを踏んでいましたが、AIを利用することでリサーチから記事生成までを一気に行うことが可能になります。当面は人間によるレビューと校正を経て公開することで、品質を保ちつつ生産性を向上します。

教育資料作成

従来のプロセス: 教育ニーズの分析 + 教材の企画と設計 + コンテンツの作成 + レビューと修正

AIを活用したプロセス: プロンプト(ニーズ分析と教材の企画)+ AIによるコンテンツ生成 + 人間による最終レビュー

想定:教育資料の作成では、AIが分析から企画、コンテンツ生成までを支援します。これにより、ニーズに基づいた質の高い教材を迅速に提供することが可能になり、教育の質の向上に寄与しています。最終的なレビューを人間が行うことで、内容の正確性や適切性を確保します。

映像制作

従来のプロセス: 構成 + 脚本 + 役者 + 撮影 + 編集

AIを活用したプロセス: 構成 + 脚本 + 生成AI(プロンプトで制御)

想定:映像制作プロセスもまた、AIの導入によりプロセスが大きく変化すると思われます。構成と脚本の作成に続き、生成AIを活用して実際の映像を生成することが可能になり、従来必要だった役者選びや撮影、編集といった工程が大幅に簡略化されるかもしれません。これにより、制作の敷居が低くなり、より多くのクリエイティブなアイデアが形にされやすくなると考えます。

システム開発

従来のプロセス: 要件 + 設計 + 開発 + テスト

AIを活用したプロセス: プロンプト(要件 + 設計 + 開発 + テスト)

想定:システム開発においても、AIを活用することで、要件定義から設計、開発、テストに至るまでのプロセスを統合し、効率化を実現できると思います。これにより、開発サイクルの短縮と品質の向上が同時に達成されます。

カスタマーサービス

従来のプロセス: FAQ作成(製品仕様から作成)+問合せ対応+コンテンツの提供

AIを活用したプロセス: プロンプト(製品仕様からFAQを作成)、AIで初期応答+人で対応 対応履歴からFAQを作成

想定:現在FAQを作成したり対応することが人の手で行われていますが、FAQの作成は製品仕様等からAIが作成を支援しユーザからの問い合わせに対して初期対応をAIが対応します。ユーザの問い合わせがAIで解決しない場合に人による対応がスムーズに行われます。

当面はAIと人がハイブリットでサポートすることになりますが多くの定型的なやりとりはAIが対応することになります。

生成AIの導入によりかなりプロセスが変化するかもしれませんが、この生成AIを活用するAIを操るエンジニアを育成するのか今までのスタッフにスキルを付けるのかにもよりますが、AIを操るエンジニアはどんなスキルが必要なのかを見てみます。

ここでAIを操作するエンジニアをプロンプトエンジニアとして話を進めていきます。

プロンプトエンジニアに求められるスキルと知識

は、AI技術、特に生成AIや自然言語処理(NLP)技術を活用するための能力も重要ですが、プロンプトエンジニアにとって重要なスキルセットとして一般的な判断基準や倫理観等も必要と考えます。

プロンプトエンジニアのスキルセットは、AI技術、特に生成AIと自然言語処理(NLP)を活用する能力に焦点を当てていますが以下に、トップクラスのプロンプトエンジニアに必要な幅広いスキルを紹介します。

AI運用のための技術的スキル

AI自体を知り動かすことできるスキルでありプロンプトエンジニアにおいて基礎的な知識となります。

  • プログラミング言語: PythonやJavaScriptなどのプログラミング言語に精通しており、これらを使ってAIモデルとのインターフェースを作成し、データを処理する能力。

  • 自然言語処理(NLP): テキストデータの処理、解析、生成AIモデルの理解や操作に関連するNLPの基礎知識。

  • AI/MLの基本: 生成AIモデルの背後にあるAIおよびMLの原理と技術への理解。

  • APIの利用: 外部APIを使用してAIモデルにアクセスし、結果を処理する技術。

制作・開発のためのプロセスの理解

企業運営や開発のフレームワークや一般的な物流・製造プロセスの理解

  • 運用プロセス:企業運営や開発のフレームワークや一般的な物流・製造プロセスの理解

  • 製造プロセス: 製品設計における材料選択、加工方法、組み立て順序などの理解。

  • ソフトウェア開発プロセス: 開発ライフサイクル、アジャイルメソドロジー、テスト手法などの知識。

様々なモノの構造の理解

映像系の制作以外にビジネスプロセスを作るにしても一般的な知識として持っていた方が良いと考えます。

  • 機械工学: 力学、動力学、材料科学の基本原理の理解。

  • 建築学: 建築やインフラプロジェクトにおける構造的安全性、耐久性、環境影響の考慮。

  • 物理法則: 運動の法則、エネルギー保存の法則などの理解。

  • 材料科学: 材料の物性、耐久性、反応性への理解。

ドメイン固有の知識

  • 特定業界や分野に関するドメイン固有の知識、例えば医療分野の生物学や金融分野等

コミュニケーションスキル:総合的な問題解決能力と解決手順等フレームワーク

  • 問題解決能力:AIソリューションを実世界の問題に適用するための、技術的知識を組み合わせた総合的な問題解決能力

  • 言語化能力:問題の解決手順やフレームワークの知識を活用し課題を言語化

  • 明確なプロンプトの作成: AIに意図を正確に伝え、望む結果を得るためのプロンプト作成能力。

  • 結果の解釈と調整: AIの出力を解釈し、目的に合わせてプロンプトを調整するスキル。

クリエイティブスキル

  • 創造性: 新しいアイデアや解決策の考案と、AIを活用した実現能力。

  • 問題解決能力: 複雑な問題に対する創造的かつ効率的な解決策の見出し能力。

プロジェクト管理能力

  • 多様なプロジェクトの管理: AIプロジェクトの計画、実行、モニタリング、調整のスキル。

  • チームワークとコラボレーション: 多職種チームとの協力し、プロジェクト目標を達成する能力。

倫理的意識と責任

  • AI倫理: AI使用時の倫理的考慮事項と責任の理解と適用。

  • データプライバシー: データのプライバシーを尊重し、適切なデータ取り扱い方針に従う知識。

スキルアセスメントやドキュメント・タスクの見える化はより重要になる

これらのスキルは、プロンプトエンジニアにとって理想的であり、高いレベルでの成果を出すために必要となると考えます。これらの全てが習得できていなくとも意識をすることで冷静に課題に向かっていけると考えます。特にコミュニケーションスキルは重要で口頭でのコミュニケーションに加えコミュニケーションをデザインし共創できる知識が必要と考えます。

AIの活用により、音楽制作からシステム開発、教育資料の作成に至るまで、多岐にわたる分野で既存の作業プロセスが再定義され、効率化が進んでいくと考えます。これらは、AI技術の適用範囲を拡大し、人間の能力を拡張するでしょう。しかし、これらの技術的挑戦だけでなく、社会的、環境的、倫理的な課題に対しても、プロンプトエンジニアやAIを活用するには効果的かつ実用的なソリューションを提供するために、多様な知識領域にわたる洞察と統合的な思考が不可欠となります。AIを最大限に活用するためには、技術だけでなく、プロセス、構造、ドメイン固有の知識への深い理解が求められるでしょう。

また、AIの導入で一人で多くの業務を処理できるため作業内容がブラックボックス化する可能性があります。今まで以上にモノの制作や開発過程におけるドキュメント管理やタスク管理は重要となると考えます。

企業はブラックボックスやサイロ化を排除する努力がもっと必要になっていくと考えます。

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